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  導入したきっかけは何ですか。

  

  カルテの電子化は、医療情報の質向上という点で以前から気になっていました。また、患者様の再来有無にかかわらずカルテの保存期間は決められていますので、いずれ膨大な量の紙カルテを管理しきれなくなるだろう…という危機感もありました。そう遠くないうちに何かしらの手を打ちたい…と考える中、使用していたシステムのOS(XP)のサポートが終了し、切替えの時期がやってきました。
  ただ、サーバ室をどこに確保するのかという場所の問題がありとても悩みました。庭をつぶしてサーバ用に病院の増改築が必要？？なんて…。
  そんな悩みを解消してくれる「富士通製クラウド型電子カルテ」に、タイミング良く出会えたことで決断へと踏み切りました。

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  新規導入ということで、他のメーカーとの選定方法などをお聞かせ下さい。（システムの機能差異や営業の対応など）

  

  クラウド型のシステムを３社に絞り検討しました。
  電子カルテ化での一番の目的は、病棟業務をシステム化し充実させることでしたので、他メーカーとの差は、充実した病棟業務が標準搭載されていた事です。
  外来業務・病棟業務・部門業務が全体的にバランス良く整い、スタッフの心に響いたシステムがこの「HOPE Cloud Chart」だったというわけです。
  また、前システムから長年お付き合いのあった担当者さんの推薦もありました。

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  導入時に苦労、またはストレスを感じたことはありますか。

  

  看護師としては、とにかくマスタの洗い出し作業、システムをどう使っていくかという打ち合わせに時間を要しました。病棟業務・看護支援業務については、十分な機能を備えている分整備量も多く、通常業務と並行しながらシステム構築作業を行う事は、分担していたとは言えとても大変でした。マスタの整備だけでなく、操作面の習得については焦りと危機感があり、精神的なストレスもありましたね。
  
  事務としては、前システムからコンバートが出来なかった項目の手作業に苦労しました。コンバート後の追加病名転記作業を、一つ一つ新システムに登録し直す作業で深夜になる日もありました。マスタ整備に関しては、特に検査項目において、医師の使用有無を判断するのに頭を抱えたり…。これらの作業に集中した約１ヶ月間は、とても頑張った！やりきった！本当によくやった！という思い出があります。
  しかし、構築作業をしていた時は大変でしたが、スタッフがそれぞれ導入作業を分担したのは初めてで、経験が無かった分「こんなものかな…、他の部署もみんな頑張っているし…、あと○○日だ、頑張ろう！」と前向きに考える事ができ、モチベーションを保てていました。

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  導入時ストレスを感じた時(Q3)、弊社の社員に相談されましたか。その時の対応はいかがでしたか。

  

  自分たち（看護師）が慣れ親しんだ項目があったのですが、それらは全てシステムの形式とは異なり、独自に作成した紙ベースのモノでした。システム化は厳しいだろうと思いながら、半ば諦めて相談したことがあります。すると相談が提案として、また提案が形となり、自分たちの言葉がシステムに反映されたんです。馴染みのある項目なので使いやすく、同時に安心感が得られ、システムとの距離が縮まったように感じ前向きになりました。
  
  薬局としては、日々の自己管理として文書に記録を残す方法をとっていますが、システム構築においても、いつの要望・相談か、どんな内容かを必ずメールや文書を介して行いました。普段と同じ作業管理スタイルで担当者と連絡したり、作業に取り組めた事は、やり易さにも正確さにも繋がりました。
  全体的に言えることですが、整備・検討事項は多くありました。ただ、全て永和さんがやるべきことを事前に提示し、決定・課題内容については管理・報告して下さっていましたので、提示通りに作業を進めれば確実に前に進む、まとまっていく…という先が見える進行と誘導が上手だったのだと思いますよ。

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  システムを入れて良かった点・システムの気に入っている点は何ですか。

  

  期待していた病棟業務の機能が特に素晴らしいです。経過表から必要な機能を呼び出せ、医師指示の確認はもちろん、その指示に対する実施が正確に残ります。看護師の記録以外に、医師記録・コメディカル記録も確認でき、必要な情報が全てこの１枚に集約されていますしね。
  また、看護師は使命感が強い職種です。当院の看護師は、医師からの指示はしっかりやり遂げますし、それらを確実に記録に残す、明記するという事を日々実践していましたので、この機能は当院の病棟方針（自分でやったことは自分で証明する）に実にフィットしていたと思います。
  「自分で入力したものは自分の責任」という概念が、簡単な操作で明示的に残る事は期待通りで嬉しい限りです。
  正確な情報伝達、多くの転記作業が無くなったこと、カルテの所在に振り回されることなく確認・記録作業にあたれる事から、病棟はシステム化によって多くの時間短縮・無駄な労力カットを実現できています。
  先生の指示がどこで出されていても即時把握でき、システム稼働後３カ月が経過した今では、より便利さを実感しています。
  それと、医師の所見が見やすくなったことで、医事会計時の確認作業効率がグンと上がりました。紙カルテより文字も読みやすいです。またカルテのマスタ構築の成果だと思いますが、検査項目、指示内容が日本語で統一され、医事課職員の理解度が増したことで、より正しい算定確認が可能になりました。

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  システムを入れて不満な点はありますか。

  

  思いの外紙の使用が多いという感想はあります。指示の確認やラウンド用等、ペーパレスにはならないですね。
  また、画面の文字が少し小さいです。一画面で全ての情報を集約している為なのでしょうが、年配の利用者にはもう少し大きい文字だと助かります。
  病棟においては、検体検査の依頼・実施が経過表に表示されないことが唯一不満です。当院は看護師が採血・採尿・採便したことを実施記録として残すため、検体検査を実施入力対象のオーダとしています。結果値は経過表に表示されますが、指示と実施の管理をしたいので、経過表にも検体検査オーダが表示されると管理が統一されてより良いです。

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  システムを入れたらこうしたい！こうなっていたらいいな！という期待はありましたか。また、その期待はかなっていますか？

  

  いろんな所でいろんな人が入力・登録した事が、集計として自動計算されたり表示される部分はやはりシステムの得意とする部分なのでしょうね、期待通りです。日誌など、移動情報が自動で表示され、転室・転床・看護度まで集約されて数値計算できるのは助かります。
  システムを使用していくと、新たな期待も出てきます。
  勤務帯の細かい時間管理やパートなどの管理が、全て日誌に展開されるとより良いなぁ…と更なる仕様改善を期待しています。
  また、医師のオーダがより正確になると、その後の部署（看護師や医事課職員）でさらにきめ細かく作業が進められます。当院は非常勤の医師が多いので、初めて操作する医師のためにも、システムへの抵抗が少なく、スムーズに業務に取りかかっていただけるような「医師想いのトレーニングシステム」などがあると良いですね。

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  システム導入後の対応はいかがですか。要望、質問、不満などサポートとの連絡はスムーズですか。

  

  遠隔操作で同時同画面を確認しながら質問できるので、言葉だけで説明するより早く意図することが伝わり、回答もスムーズです。
  いろんな相談事や依頼内容を連絡していますが、対応作業は早いです。
  連絡後に管理端末に目をやると、すぐにリモートで作業をしてくれています。「早いわね…暇なのかしら…」なんて感じる時もあります。（笑）

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  弊社にして良かったと思う点はありますか。

  

  永和さんは、様々な医療機関の導入経験があると伺っていましたが、医療機関さんとの関係性は良く、システム見学という形で、過去導入した医療機関さんを紹介して下さいました。
  システムを使用し日常業務をこなす看護師の姿や、病棟の風景を直接自分の目で見て、また同じ立場の方と会話して生の意見を聞く事で、システム稼働後のイメージがクリアになり、明らかに理解度が上がりました。今思えば、この繋がりのおかげで自信が持てたんですよね。
  
  事務の相談事に対しても、親身になって一緒に悩んでくれ、病院目線の提案が嬉しかったです。また、永和のスタッフさんは割と若く、（医事職員と）同世代の人が多く、自分も頑張ろうと思う気持ちや励みになりました。
  
  管理者的視点で言いますと、Q.4にも触れましたが、導入前からスケジュールが提示され、定例会では、各部署の決定事項や持ち越し課題がチェックされました。報告、システム進行状況は分かり易く、全体が把握しやすかったので、上の立場としてはストレスなく自分の分担業に集中できました。
  トップの決定に従うという形ではなく、スタッフのみんなで作り上げるように提案・構築する誘導の仕方、プロジェクトの進行が上手でしたので、心配が少なかったと思います。

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  その他、東病院様から伝えたい事、発信したい事はありますか？

  

  システム導入で一番気がかりだったのは、「システム化と共に辞める職員が出ないか」ということでした。
  結論から言うと、今回の導入は大成功です。一人の脱落者も無く、システムに追い詰められ病院を去る者は誰ひとりとしていません。
  この結果を得られたのは、２つの成果だと思います。
  一つは、永和さんのプロジェクトの遂行の仕方。そしてもう一つは、私たちのチームワークです。
  私たちは、システム化に対して「みんな一緒だ」という連帯感を持って取り組みました。
  パソコンの得意不得意には個人差がありますが、新システムの構築や操作の慣れなどはみんな初めてのことです。スタートは同じ、不安も焦りもみな同じです。
  稼働までのラスト数週間、自主的に操作練習を行い、個人が習得した情報は他のメンバーに伝えたり、疑問に思う事、知りたい事を互いに確認しながらメンバー間で成長をしていきました。
  必ずしもリーダが部下に指導するという形式を取らなくても良いんです。教え上手な人が苦手な人に言葉を掛け、聞きやすい人に質問する、上下関係なく互いに助け合うという関係が、今に至っているのだと思います。
  コミュニケーションを多く持つことで、仕事の整理・見直しができ、助け合い・協力を通しメンバーの繋がりも深まり、多くを得られたと感じています。

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  弊社を一言で表すと何になりますか？

  

  医事課様より：『おかあさん』（安心できて相談できて一緒に解決してくれる存在）
  看護師様より：『家庭的で親切』（親身になって話をきいてくれ、距離を感じず話ができる存在）
  管理者様より：『全ての医療人に安心のシステムサポートを提供する会社』

お客様からの一言

病棟看護師のみなさん